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企画展からお便り10 ~ウッカリカサゴ~

2018.03.28 (水)

河合

今回はこの魚

ウッカリカサゴ

企画展のブース内にある「こよみ水槽」から。

この水槽は、みなさまに少しでも多くの生き物を知ってもらいたい、また、年間パスポートをお持ちのお客様に少しでも長く企画展を楽しんでいただきたい、そんな思いで季節に応じて生き物を変え展示しています。

ちなみに

12月16日~1月31日は、干支にちなんで、犬の牙を持つ魚「アルマータス・ペーシュカショーロ」。

2月1日~3月14日は、バレンタイン、ホワイトデーにちなんで、キスをする魚「キッシンググラミー」。

今回の3月15日からは、春のぽかぽかした季節にありがちな春ボケにちなんで...

季節の変わり目は、体調を崩しやすく、ぽかぽか陽気にさそわれて、ついうっかり物忘れをしたりしませんか?

そんなことから「ウッカリカサゴ」を選びました。

(強引ですかね…)

さてさてなぜこんな名前をつけられてしまったのでしょうか?

この魚がウッカリ者ではございません!

 

「日本の魚類学者がカサゴとの違いに気付かずウッカリしていたため」

「研究者がウッカリしてカサゴと同じ種類だと間違えていたことから」

「うっかりするとカサゴと区別がつかないカサゴ」

 

これらが名前の由来のようです。それぞれニュアンスが微妙に違いますが…。

とにかく「ウッカリ」は、魚ではなくて人間の方なんです。

ウッカリカサゴは、宮城県以南、東シナ海、朝鮮半島南部の沖合に生息するカサゴによく似た魚です。

外見上の違いを自作のイラストで簡単に紹介します。

①側線付近に白い斑点があり、斑点には明瞭な縁取りがあります。

※カサゴには側線付近に白い斑点がないか、斑点があっても縁取りがない

  • ②胸ビレの軟条(ヒレのすじ)が18~20本(19本が多い)

※カサゴは、17~20本(18~19が多い)

このような違いがあります。

 

他にもカサゴに比べ沖に生息することや、カサゴが30cmくらいに対してウッカリカサゴは40cm以上になり大きい。こんな違いもあります。

 

昔から漁業関係者や釣り人などの間では、深場にいて大きくなるカサゴを「オキガシラ」「オキアラカブ」「アンポンタン」「カンコ」などと呼び、カサゴとは区別しています。また、市場では「カサゴより美味しくない」と言われ安価で取り引きされる。こんなエピソードがあるんですよ。

いつか、カサゴとウッカリカサゴの食べ比べをやってみたいですね。

今回、展示している個体は石川県能登半島にある「のとじま水族館」からやってきました。(のとじま水族館の皆様 お借りしたウッカリカサゴは元気です)

 

更におまけ情報。

企画展の中でこんな昆虫を展示しているのをご存じですか?

オオアカカメムシ(別名:ジンメンカメムシ)

おすもうさんのような顔をしているカメムシの仲間です。

この顔のような模様は、1匹ずつ違います。

そこでトト・ラボにこんな遊び道具を置きます。

顔はめパネルです。

インスタ映え間違いなし!!

みなさん、ジンメンカメムシになってみてくださいね。

キーホルダーも販売中です。

ではでは。

 

 

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カテゴリー  企画展・特別展示
キーワード 河合
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