世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

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新春のおめでタイ話

2018.01.14 (日)

堀江真

こんにちは。

今日は「河口の魚」水槽からのお知らせです。

「キチヌ」が仲間入りしました。

ヒレが部分的に黄色いことから「キビレ」とも呼ばれます。

2016年の春に、ボラの群れに混じり泳いでいた2~3cmほどの

なにやらタイっぽい稚魚を見つけたことが始まりです。

「これはクロダイか?いや小さすぎてわからない…。」というわけで、

2個体を水族館に持ち帰り、育てることにしました。

 

見つけた時は、ボラの群れに混じり泳いでいたのですが、

2個体を同じ水槽に入れてみたところ猛ゲンカ。

さらに、一緒の水槽に入れていた大きめのハゼも、つつかれて骨とヒレだけにされ、

いくつか入っていたシジミもすべてつつかれて食べられてしまうありさまでした。

これは一言でいうと失敗ですが、この経験により、

キチヌの食性や、エサの食べ方、気の荒さなどがよくわかりました。

そして、わたしはそんな気性の荒さにひかれ、すっかりキチヌのとりこになってしまったのす。

 

それからは単独で育てることにしました。

クロダイの幼魚に見られるしま模様がないので、キチヌではないか?と予想はしていましたが、

決め手となるウロコの数を確認してみるとやっぱりキチヌ!!

 

と確信した矢先、残念なことに1尾は急死。

当日私は休みだったのですが、複数のスタッフから「キチヌ死にました。」

と画像つきの連絡を受けたのでした…。

まだ展示もしていない小さなタイ1匹のことで、こんな連絡をもらうとは、

私のキチヌ愛が相当のものだったことが分かります。

残ったほうのキチヌは、ウロコの感じがキチヌらしくないのですが、

展示水槽に移動して立派に成長した今では、ヒレのふちが黄色く染まり、

顔だちもすっかりキチヌキチヌしています。

しばらく様子見をした後、解説板を取り付け、そしてさらに1個体を追加して、

今では大きさの違う2匹が元気に泳いでいます。

きらきらのウロコに、ぴんとのばした黄色いヒレ、目が大きくて、

口はきゅっとしまったとても美形の魚です。

新春のおめでタイ時期に、ぜひ見に来てください!

 

 

 

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カテゴリー  新しい展示日本の淡水魚
キーワード 堀江真
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